キャプテン

ブライダルのフラワーコーディネーターは、ブーケやヘア飾り、会場装飾を担当。おふたりの希望を聞きながら、デザインや花材を提案していきます。
求められる資質は、センスとタフさ、そして接客業としてのコミュニケーションスキル。水を張った花器やバケツの移動や、立って作業することも多いなど、体力も必要です。
やりがいは完成したブーケを渡した時に広がる、花嫁の満面の笑顔。技術職でもあるため、結婚後も雇用形態を変えるなどして勤め続ける人も多い仕事です。
中嶋 莉々伽(なかしま りりか)さん
(株)テイクアンドギヴ・ニーズ
フラワーコーディネーション統括部
チーフフラワーコーディネーター
入社:2013年4月
名古屋ウェディング&フラワー・ビューティ学院(旧エクセレンス)を卒業後、フラワー部門採用で新卒入社。アーフェリーク迎賓館(岐阜)に配属。2016年に名古屋のアーヴェリール迎賓館に異動し、チーフフラワーコーディネーターに就任。
会場専属のフラワーコーディネーターとして、まず始めに、お客さまとブーケや会場装花、会場全体の装飾についてのお打ち合わせをします。事前に、担当ウエディングプランナーからお客さまの結婚式に対するこだわりや想い、進行などを伺い、それに対してご提案内容を考えてお打ち合わせに臨みます。
その後、お打ち合せで決まった内容をデッサンに起こし、お客さまにイメージをご確認いただきます。
最終決定後、お花や装飾に使用する資材などの発注を行ない、その後ブーケ・会場装花・装花に合わせる装飾を制作して当日を迎えます。
<結婚式当日の例>
7:30~10:00
出社
挙式・披露宴会場のセッティング
8:00
新郎新婦のお控え室へブーケのお届け
11:30
午後から始まる挙式・披露宴の装花準備
13:30~15:30
午後からの挙式・披露宴会場のセッティング
13:30
午後からの新郎新婦のお控え室へブーケのお届け
17:00
午前からの挙式・披露宴の片付け、次週の準備
19:00
片付け
21:00
新郎新婦お見送り
日頃から心掛けていることは、チーム内での情報共有です。
ブーケや装花、装飾を制作するにあたって、そのお客さまのこだわりや想いをチームに共有しながら進めていきます。そうすることで自然と、担当のスタッフだけではなくチーム全員がそのお客さまことをイメージしながら、他人事とせず制作やセッティングを行なえると思います。同じ店舗で働いている他部署のスタッフ(ウエディングプランナーやサービススタッフ、料飲スタッフ)とも連携を取りながら、一つの結婚式を創り上げています。
また、フラワーコーディネーターとして、お花への想いも大切にしています。そのお花に込められている想いや、ブーケや会場装花にそのお花が使用されている意味なども伝えるように。
そして、入荷したお花は全力でかわいがります。
1)お打ち合わせで使用しているツール
ブーケの種類や、会場のどこにどんな形で装飾ができるのかというベースの部分から、そのおふたりだったらどんなお花や装飾がお勧めなのかを提案をするために、さまざまなテイストの写真などを紹介してイメージを膨らませていただきながら、進めていきます。
また、実際に行なわれた結婚式の写真や、お花以外の写真なども使用しながらお好きなイメージをくみ取っていきます。
2)デッサン用具
お打ち合わせでお話しした、その頭の中のイメージが実際にどうなるのかをデッサンに起こします。そうすることで、フラワーコーディネーターとお客さまとの間での確認もできますし、お客さまもそのデッサンを見て当日のイメージが湧き、わくわくしていただけるのではないかと思います。
学生時代から、漠然とお花の仕事に就きたいと思っていました。
その中でウエディングのことを学んでいくうちに、結婚式という素敵な一日に好きなお花を通して携われることや、お客さまの想いを、お花と共にさまざまなアイテムを合わせて表現し、空間をコーディネートできるところに魅力を感じました。
学生時代は、学校の就職課に何度も足を運びました。自分のやりたいことや就きたい仕事のことをたくさん話し、求人があればすぐに紹介してもらえるような環境を作りました。
また、専攻授業やボランティアなど、さまざまな経験もしました。実際に有名なお花屋さんに足を運び、花束を作ってもらったこともあります。ボランティアなどでは、働いていく上で必要なコミュニケーション力なども身に付きますし、いろいろな経験をしておくと、面接などの際にも自信を持ってお話しできます。
「知る力・知ろうとする気持ち」
例えば、フラワーコーディネーターとして、お花の種類や形、色、季節など、お花の知識を知ることもそうですし、担当するお客さまのことも「知ろう、知りたい」思うことで、お打ち合わせでも自然と質問が増えます。
お客さまのことを知ることで、何か迷った時でも、「このおふたりなら…」と答えを出すことができるのです。また、自分の担当以外のお客さまのことも知ろうと思うことで、作成するお花への想いも変わってきます。
結婚式は、新郎新婦にとっても、おふたりを取り囲む方々にとっても、とても重大な一日です。
その一日を、その後のおふたりの人生においての糧となるような日にするためのお手伝いを、私はフラワーコーディネーターという立場でしています。
ですが、結婚式を創るにあたっては、さまざまな担当スタッフの力を合わせることが必要不可欠です。もちろんどの職種も、毎回プレッシャーもありますし、責任もとても大きいです。ただその分、達成感や感動、喜びもありますし、何よりもやりがいを感じられるお仕事です。
決して簡単ではありませんが、日々学びもあり、感動をつくり出す素敵なお仕事だと思います。
ブライダル業界を目指している皆さん、是非頑張ってください。