# Wedding Jobs
キャプテン
キャプテンの仕事は、披露パーティー全体を管理すること。プランナーからパーティーのコンセプトや進行を聞き取り、会場のセッティングを整え、司会者と呼吸を合わせて音響照明や演出などすべてを統括し、パーティーを進行。
また、時間管理をしながらサービススタッフを統率し、料理・飲み物を提供します。
新郎新婦の先導も務め、不安なく過ごせるよう声を掛け、サポートします。
現役業界人にインタビュー
吉田 勇太(よしだ ゆうた) さん
株式会社ニュー・オータニ
ホテルニューオータニ
料飲部 宴会課 支配人(マネージャー)
2003年4月入社
駿台トラベル&ホテル専門学校を卒業後、2003年に(株)ニュー・オータニに入社。04年よりバンケットサービスに配属。07年「トゥールダルジャン 東京」に異動して2年間レストラン業務を担当した後、バンケットサービスに異動。20年より現職。これまで1500組を超えるご結婚式をはじめ、さまざまな国際催事を担当。令和の総理大臣夫妻主催「即位の礼 晩餐会」では会場サービスの総責任者として国内外の賓客をおもてなしした。
お仕事内容は?
現在は、バンケットサービスで国内外の賓客のおもてなしを中心に担当しています。結婚式は会場責任者として、これまで1500組を担当しました。
営業担当者やブライダルプランナーが打ち合わせをした資料を元に、司会者・サービススタッフ・調理スタッフ・音響照明映像スタッフ・装花など、すべてのスタッフがうまく連携し協力し合って、お客さまに喜んでいただける披露宴を具現化するのが会場責任者の仕事です。
1日のスケジュールを教えてください。
9:00 出社
9:30 披露宴会場準備
10:00 会場内準備(席札、引き出物など)
10:30 新郎新婦、ご両親へごあいさつ
10:45 会場最終チェック、準備完了
11:10 司会、音響、映像スタッフと最終打ち合わせ
11:20 挙式終了。受付担当の方へ受付の説明、ご列席者を待合いへアテンド
11:30 サービススタッフミーティング
11:45 ご列席者を披露宴会場へご案内
11:55 新郎新婦をお迎え
12:00 披露宴スタート
15:30 披露宴お開き 送賓
16:15 新郎新婦お見送り
16:45 事務所へ戻り、事務作業(報告書、次の宴席の準備など)
18:00 退社
※休憩時間1時間含む
仕事をする上で大切にしていることは?
会場責任者として、お客さまの要望のすべてを滞りなく具現化し、満足していただくことが最大のミッションです。そのためにも、お客さまの視点に立つことと俯瞰的な視点で披露宴全体を見ることを大切にしています。
それに加えて、ハプニングやアクシデントに備える心構えも会場責任者には必要です。もし何かがあっても慌てずに冷静に対処できるように、事前にさまざまな事態を想定しながら現場に入るようにしています。
必須アイテムは何ですか?
営業担当者やブライダルプランナーが打ち合わせをして作り上げた、お客さまの要望が詰まった資料ファイルと、時間を管理するための懐中時計。そしてピカピカに磨きあげた革靴と白手(しろて/白い手袋)はホテルマンの必須アイテムだと思っています。
当ホテルではお客さまに時間を忘れて楽しんでもらうため、腕時計はブランドや価格に関わらずNGとしています。サービススタッフも全員が外して臨んでいます。懐中時計もお客さまからは見えないよう、こっそりと見るようにしています。
どのように就職活動をしましたか?
格式の高いホテルにエントリーして、最初にいいお返事をいただいたのがホテルニューオータニでした。スタッフの方々が温かい接し方をされていると感じたので、入社を決めました。18年経った今、今度は自分がそのように思われるスタッフでありたいと心掛けています。
この仕事に就くためにやっておくといいことは?
私は高校時代からずっと格闘技(ブラジリアン柔術)を習っていて、実はそこで学んだ「心技体」が、今もとても役に立っています。
仕事をする上でも、物怖じせず折れない精神力が持てましたし、優れた技術を修得することの大切さも学びました。基本的に立ち仕事となる宴会サービスでは、会場の装飾レイアウトを変更する「どんでん」もありますから、タフな身体が必要です。
格闘技でなくても運動系のクラブや団体に所属していれば、心技体は磨かれると思います。ちなみに私は、今でも長男と次男を背中に乗せて腕立て伏せをして鍛錬しています(笑)。
この職業で、必要だと思われる能力とは?
もっとも大切なのが、お客さまに「この人に任せておけば大丈夫」との安心感を与えることです。そのためには豊富な知識が必要でして、例えば飲食分野ではマナーやプロトコルの知識だけでなく、人気の料理やレストラン、街で流行っていること、などの幅広い知識が求められますし、その他、国内外のニュースなど時事ネタにも日々目を通しておく必要があります。
また宴会サービスは、落ち着きあるクールでエレガントな佇まいが求められる仕事です。どんなに努力していても、焦っていても、白鳥のように見た目は優雅に、ということですね。
これらの努力や学びに終わりはなく、この仕事をしている以上、ずっと追求し続けなければならないことです。